Infinitely Together

森本 千絵 × 板谷 由夏 森本 千絵 × 板谷 由夏

女優の板谷由夏さんは、ふたりの子どもを持つ母でもあり、
最近では服のブランドも手がけるなど、マルチな活躍を続けている。
同じ“働く母”である森本千絵さんと、時間について語り合った。

時を経て受け継がれる、
大切な人への贈り物

板谷: 今日着けてきたフランク ミュラーは夫の時計なんですが、これ13年前、結婚した時に指輪のお返しに私が彼にプレゼントしたもので……。

森本: そうなんですね。私はその数年前にエストニアのスタジオにこもって1作目の動画つくってました。それ、「カサブランカ」ですよね。

板谷: カジュアルにもスーツにも合う。服を選ばないんですよ。うちの子どもは男の子ふたりなので、この時計はいずれ息子に引き継がれるんじゃないかな。

森本: 素敵。前作の映像では、数字に人格を与えて、ひとりずつ動かしているんです。無声映画みたいに。

板谷: 数字ひとつひとつが生きてるみたい。新作の動画では、針がバラバラになってそれが男女に重なるというのがおもしろかったです。

森本: 時計に男女が動かされてしまって、コントロール不能な世界を表現しました。ところで板谷さん、とてもハードな時間を過ごしていらっしゃると思うのですが、時間をどのようにやりくりしていますか?

板谷: 30代は本当にいろんなことをやって必死だったから、記憶が曖昧で。やっと最近下の子が小学校に上がって少し自分の時間ができましたね。忙しい時って隙間の30分をいかに使うか、みたいなことが得意だったのに、自由に使える時間ができると、あれ?どうやって使えばいいんだっけ?となってしまって(笑)

変わり続ける、「時」の概念

森本: フランク ミュラーさんが「時というのは個人の感覚によって形を変える」と言っているんですが、ひとりの人間でも独身の時と、家庭を持ってからでは時の概念はまったく変わりますよね。

板谷: 違いますね。子どもの成長はものすごく大きいので。自分ひとりだったらあまり成長を実感できないけど、彼らの存在が自分の時間を表現してくれている。

森本: それは時がつくる喜びのひとつですね。板谷さんは女優さんでもあるわけで、撮影期間中は作品の人物の時間を生きてる感覚ってありますよね?

板谷: あります。そのスピード感は役によって違うけど。役の”人物時計”は確かにあります。

森本: そうなるともう、自分の中に時計を3つも4つも着けている感覚では? 時空を飛び越えて、違う時計が動いているみたいな。

板谷: でも異なる時を分けているつもりはなくて。時間の中にいろんな物事が組み込まれているのを自分で見て経験しているっていう感覚です。

森本: 板谷さん、柔軟だから、スッて時の流れに乗っている感じがします。無理に時間をガリガリ削らないというか。

板谷: 逆らわないですね。流れゆく性格なのかも。たとえば映画『SUNNY 強い気持ち・強い愛』の撮影期間中、役づくりのために減量していてお腹空いたな、とか思いながら子どもの発表会でお遊戯見たりして。いろんなものがぐしゃぐしゃにミックスしてる。

森本: それはフランク ミュラーの時計でいうとまさに「クレイジー アワーズ」ですね。長針が一回転すると、ランダムに並んだ数字に合わせて短針がびゅんって動くんです。板谷さんの生活みたい。

板谷: この時計おもしろい。数字って順に並んでなくていいんですね。固定概念を超えていて、すごく遊び心がありますね。

フランク ミュラーのハートモチーフ

2007年に発売された「ハート トゥ ハート」は情熱的な想いを大切な人に送り届けてほしいとのメッセージが込められた名品。側面に大胆なボリュームをもたせ、優しさと可愛らしさを兼ね備えたこの時計を板谷さんに着けてもらった。

板谷: このハート可愛い。20代のときはハートとかラブとか恥ずかしかったけど、大人になってハートモチーフがすごく好きになりました。

森本: わかります。私もデザインをしていて、いままで赤とかピンク、ハートっていうわかりやすい表現は避けていたんだけど、最近はだんだんピンクが増えてる。

板谷: 甘くない、シャープなハートが選べるようになりましたね。

森本: 歳を重ねていろんな経験をしたからこそ、わかるハートです。

板谷: 数字が赤色なのもラフな感じでいいですね。うっとりしちゃいます。

ここから始まる、
自分のための大切な「時」

森本: 板谷さんはこれから自分の時間をどのように使いたいですか?

板谷: いま習い事をいろいろ体験していて、その中から長く続けられるものを見つけたいと思っているんです。あんなに自分の時間が欲しいって熱望してたのに、いざ時間を手に入れたとき、自分に何ができるんだろうって。

森本: これまではしばらく、みんなのための時間になってたんですね。

板谷: そうそう、自分の時間は仕事だけだったんだなと。でも仕事だけじゃなくてこれからの人生、自分の時間の使い方をもうちょっと考えないと。

夫にプレゼントした「カサブランカ」から、時間を行きつ戻りつする「クレイジー アワーズ」、大人の女性にふさわしい「ハート トゥ ハート」まで、フランク ミュラーの時の哲学にも共通する板谷さんの濃密な時間。しなやかに輝きを放つ彼女の生き方にこれからも注目したい。

HEART TO HEART

HEART to HEART
“quatre” DIAMOND

ハート トゥ ハート “キャトル” ダイヤモンド

“愛の喜び”

「ハート トゥ ハート」は、2007年にアール・デコ様式を発想の源泉としたフランク ミュラーのアートコレクションのひとつとして発表されました。

文字道りハートをモチーフとして、情熱的な想いを大切な人に贈り届けてほしいというフランク ミュラーのメッセージが込められています。また文字盤に放射状に放たれたギョウシェ模様にはビザン数字の透かし彫りが描かれており、フランク ミュラーならではのエレガンスを演出しています。

トノウ カーベックスのフォルムを受け継ぎながら、その側面に大胆なボリュームをもたせたケースデザインはとても柔らかく優しい印象と可愛らしさに溢れています。「その方にとって特別な時計となりますように」というフランク ミュラーの願いが込められた作品です。

SPEC

  • クォーツ
  • 18Kピンクゴールド
  • 時分針
  • 日常生活防水
  • 31.00 x 26.00 mm
PRODUCT No.
5002SQZDC4CD
PRICE
¥2,970,000-

Yuka
Itaya

板谷 由夏

女優

ドラマや映画、舞台、CM 、雑誌など幅広く活躍。帯ドラマ劇場「やすらぎの刻~道」(テレビ朝日系)出演のほか、WOWOW「映画工房」でMC 、TOKYO FM「COSMO POPS STATION」でラジオパーソナリティを務める。2020年2月には、映画「サーティセブンセカンズ」が公開予定。
Instagram:@yukaitaya

Chie
Morimoto

森本 千絵

アートディレクター

株式会社 goen°主宰。コミュニケーションディレクター・アートディレクター。 大学卒業後は博報堂へ入社、その後2007年株式会社 goen°を設立。企業広告をはじめ、松任谷由実、Mr.Children のアートワークやテレビ番組のポスターデザインほか、映画や舞台の美術、動物園や保育園の空間ディレクションなど活動は多岐に渡る。著書に10年『うたう作品集』(誠文堂新光社刊)、15年『アイデアが生まれる、一歩手前の大事な話』(サンマーク出版刊)、18年同書・中国版『想法誕生前最重要的事』がある。

photos : YOSHIAKI TSUTSUI,
texte : JUNKO KUBODERA,
stylisme : HIROHIKO FURUTA(CHELSEAFILMS/YUKA ITAYA),
coiffure et maquillage : YUKI HARUKA(YUKA ITAYA), Haraguchi Saki(BEAUTRIUM/CHIE MORIMOTO)